朝五時の食品サンプル

魔女になりたい!/朝丘せろり

愛しい不均衡 〜INI TOUR 『BRAKE THE CODE』2022.12.25公演に寄せて〜

枯れ木も山の賑わい…と思って良かったぜー!という感想をなるべくこの世に浮かべておきたくレポというものをやってみたかったのだが、思ったより覚えていたことが少ないな!?&個人的な情景が多すぎる!ので日記になりました……初めてアイドルを生で見た人なんだなと生暖かい目で見守っていただけますと幸いです……(だいぶ推し定点です)。覚えてなさ、かなしい。経験値で覚えられることが増えるようになると思いたい…
ネタバレあり、無駄に長いです!

****

【参加】12月25日 有明アリーナ

アイドルのライブに行くのがそもそも初めて! 前日に机の上に持ち物を全部並べて当日の朝目検で確認しながらバッグに入れていくという、普段なら絶対にやらないボーイスカウトスタイルでの入念さで挑んだ(ボーイスカウト詳しくないですすみません)。連番した柾哉さん担の幼馴染が九月くらいから定期的に会場周辺地理・気候について報告を飛ばしてくれていて(鳥を使って索敵するタイプの能力者?)、手持ちの中で一番分厚いコートを選び防寒対策はばっちり、行き方については惑わず、グッズ抽選券はなんとか三枠目に滑り込み、どちらも物の管理とかに自信が無いタイプなのは幼い頃から相変わらずなのが口に出さずとも分かっていたので、多くは望まずアクスタとオーナメントが買えたらいいなあ……の気持ちで臨んだ朝だった。まあオーナメントはもう売り切れていたけども! アクスタはなんとか手に入れて一安心し、周辺は本当にめぼしいお店が無かったので駅の方にもう一度戻って探してくれていたカフェで朝ご飯を食べた。私はライブがあるからなぁ!と人生で初めてダイエットをしていたので(馬と人参の関係がないと全く続かなかった)、久しぶりに食べるパンはバターの香りが幸福そのもので罪のようでもあり、泣きたくなるほどおいしかった。佳き日だー! 抽選のトレカの開封式をして、アルバムでは1枚も尾崎くんのトレカが出なくて落ち込んでいたけど、偶然自引きできて幸先が良かった。

それから開場時間までいい天気だったので近くの公園でBAD BOYZのPVを見ながら日向ぼっこをし(私はこの動画の色彩配置に感動して絵の勉強をしているフレンズに見てもらいお褒めの言葉をもらったよ、と横から喋った)、幼馴染のトレカの交換が成立するところを目の前で見て感動し、会場に入った。席は三階席の後方で遠さは不安だったけど、入れただけで有難いですからね。
ライブのネタバレを見ることのメリデメがまだ自分の中で確立されていなかったので特にスタンスを固めずにいたけれど、セトリは見てなかったから未知! もはや怨霊みたいなレベルでAMAZE MEがセトリ落ちしていないことをひたすら祈り続けてた。
ペンラがどんな風に制御されるのか気になりだした頃、徐々に大きくなるBAD BOYZの音量。アガるね!

1.

始まりはRocketeer!
遠いーーーーーー!小さーーーー!!ウオーー人だ!!!!!!(それはそう)トイストーリーの緑の兵隊みたいな大きさで私の視力では黒衣装は見分けあんまつかねーけど人が立って踊ってるーー!!一番奥のステージだと暗くて双眼鏡でも見えんしモニター消されるとマジで全て見えんかったぜ!(近くだと暗い中で踊るアイドルかっこいいのだろうなと思う)あの柾哉さんが無重力を表現するコレオは何とかして見た←こんな感じで細部の記憶が無く……メソ……
続いてCardioをぶち込まれセトリーー!殺す気で来てるーー!になった。モニターに映される尾崎さんが気迫を見せる表情をすることを今回は選んでて、怖いくらいに美しかったのを覚えている。
そこからBOMBARDA→MC→RUNWAY→ONEか(記憶が…)。物凄い最初からかっ飛ばしているセトリだ。RUNWAYのとき、雄大の"瞳を閉じて 鮮明に描くよ"で微笑むのがモニターに映し出されるのを見て、雄大って本当に笑顔ひとつで人を幸せにできる才能があるんだな、すごい……になった、そんなのって何よりもアイドルじゃん……。ONEのましゃたくのコレオがどんな映像で見た時よりも美しく舞っているように見えて、その魅力が伝わってきたのが嬉しかった。
あと皆言ってたけどりーくん、センターパートの少しウェーブした艶のある黒い前髪が目にかかっているお顔が麗しすぎた……

この一連は遠めから始まったのもあって、モニターに映されても映像だから実在感をあまり感じていなかったんですが、でもこう壁とか隔てず推しと同じ空間にいて、空気を媒介として踊る人達から発される熱が伝播してそれを確かに肌に感じ、会場の温度が上がっていく感じにうわー!となった。こう……同じ水槽の中に我々はいて……(?)色んな魚達がいるんだけどアクアテラリウム的に底中央後方に台座が置かれていてそこで何やら煌びやかな金魚たちが踊っておりその背びれ胸びれが揺らした水のさざ波がちょっと水面付近にいる我々にもダイレクトにとどくんだぜ〜! みたいな状態でさ……(この人こわいよ〜)

なんかでもさ、箱庭を上から見ているみたいな、本当につまんだらどうにか出来てしまいそうな壊してしまいそうな大きさで繊細に作られた人形みたいに11人が見えて(実際は全然私よりでかいのですが)、手を抜かず刺してくる振り一つ一つが、その人の意思でどう表現するか死ぬほど考えて作られて磨かれて繰り出されていることを見たら初めて分かって、この統制された、でも意志のこもった動きはからくり仕掛けとかじゃなくて、自分を律した人間が身体ひとつで無防備にこちらに開いて、やってくれているんだという事実がやばくて、ということは私はちゃんとこの人達を人間だって分かっていなかったわけで、それが本当に恐かった! うお〜、本当の鬼は私の中にいるし絶対にこの人達を傷つけちゃいけないのに私というやつはそのことを分かっていなかったんだ〜! となった(?)

2.

VCR①、どういうキャラなんだ? とどうやらかわいらしくなった皆さんのことを自分の精神のポジショニングを定められないまま、何か極端な方向に行く選択肢をとるのを見ていたら、Do what you likeからコンフォートゾーンパートが始まった(独自名称)!

こっからはNステージ(センターステージ)で踊ってくれたのは覚えていて、皆の踊りがよく見えて嬉しかったよ〜〜! DWYLがSTRIDE系のゆとりがあるように見えるコレオかな?と思ったら、細かく作り込まれたキリパ系で、続いてキリパに繋がってウワ〜ってなった! INIと言えばゴリゴリダンスみたいな印象があるけど、こういう紙細工で作られた夢のオルゴールみたいな繊細な世界観のダンスだって丁寧に突き詰めててかわいくて凄いんだよ〜〜と声を大にして言いたい!!布教頑張ります!! そして一番すきな曲のAMAZE MEあったよ〜〜泣(AMAZE ME嬉しすぎて隣の幼なじみの肩にタックルばりのぶつかりをかましてしまった気をつけます!)おざ西から始まったのと上手でトト兄弟が並んでいたような気がする、可愛かった。もう"夜明けまで そばにいて"を推しが歌うのを聴いてさ……次はBrighter!本当にサビのコレオが好きでそこはモニター見ずに肉眼で皆を見た、あのキラキラをねじって閉じ込めるような振りを。最後はSTRIDEで、お披露目の回数を重ねる度に踊りが良くなっているのを感じるし、私はSTRIDEのおかげで波とか香り玉がシャバーンと弾けるようなサウンドが後ろでなっている曲が好きだと気づいた。アウトロが延びたのご褒美すぎた。

もう百万回言われている事だけど言います、白ベレー帽×白ニット尾崎匠海さん!!動き方も想像の中でしか存在しないタイプのかっわいさで、全部全部全部ウルトラ・ハイパー・キューティー・キラキラアイドルだった!!ピュアホワイト!!雪の妖精!!砂糖菓子の擬人化だった!!(美少女・蓮海を思い出した)なんかもう前回私はあのようなブロクを書いたのだが、例え私が千の言葉を使おうが本物の尾崎匠海さんの体現するキラキラアイドルの前では塵に等しいだろう! あなたはこれがやりたかったのか、なりたかったのか、それを私も見たよ、こういうことだったと分かった! 気持ちがいいほどの負け! 君は!!!パーフェクトだよ!!!

あとは、分かったと思ったのは、皆が踊るのを見て、意思ある生命としてその身体に連なった腕が動かされるのを見て、あ〜! アイドルって本人なんだ、その人自身なんだ! って、思った! 
あんま上手く言えないのだけど、私が他に行ったことのあるライブが"ナナライ"というアイドル物のソシャゲのライブで、キャラクターの設定で声優さんたちが歌い踊るライブだったことを考えたいと思う。それは、声優さんたちが私達が大好きで人生だと思っているキャラクター達を、凄い熱量で演じて再現させようとしてくれていて、普段はふざけてぶっ飛んだボケをするキャラの声優さんが演じるキャラクターは最年長で周囲を見れるタイプだから、自分のキャラを封じてMCの時はフォローに回る姿を見せてああ〜本当にいる!という感覚をファンは味わえたり、ふとした時の素の言葉がキャラクターと似ていて演じるべくして出会ったんだなとほっこりしたり、逆にキャラクターとご本人のキャラは全く違うのをMCの時は振り切って出してて、でも人生の先輩としてそのキャラクターに寄り添ってくれる言葉を言ってくれたのが一番の理解者がいてくれて嬉しかったり……と、演じてくれることでよりそのキャラクターの輪郭がたち現れるという、ベタとメタの層を行き来する感じがミルフィーユ食べてるみたいで脳がおいしい〜!ってなるのが醍醐味だったと思う。
でもさ、それとはまた違うって思ったな、生身のアイドルのライブを見て、この人たちは本人としてやってるんだ、という感覚。すんません対比しようと思ったのですがアイドル経験偏差値低すぎて結論出せませんでした! 
それが何をもたらすのかを私はまだ分からないけれど、尾崎くんがいつか言っていたことがその先にはあるような気がして、会う度にその意味について考えてみたいと思う。

3.

VCR②、洋画。洋画だよもうこれは、勝ちました。(なんかみんなめっちゃ歩いてたけども)ちょっと大学生のとき映画観てたの、全然ガチの映画オタクほどではないからな〜と思っていたけど、この日のためにあの趣味はあったと言い切ってもよかった。三番目のやつだったかどっちか忘れちゃったんだけど、フェンファンのナレーションまじで良かったよ〜沢山喋って欲しい、英語も中国語も……

そこからWork Spaceに!
DANCE、カッとスポットライトが当たって威尊が踊ってたのまじでステージの上で一人で踊り、これだけ観客がいる中で緊張を見せずに場を魅了する度胸が凄いよ、そして上手いよ〜ってなった。綺麗だった、堂々としてた……凄い……アイドルってこうなんだ……! 迅ちゃんは本当にめちゃくちゃいいね。私は迅ちゃんの、表に立つ場でブレるところをこちらに見せないように魅せ切る、やり切るというステージ人としてのプライドとそこから来るパフォーマンスの気迫と色が本当に素敵だと思っている。柾哉さんは遠くからでも振りがクリアーだよ〜〜なんて言えばいいんだろうあの正統派すぎて逆に突き抜けてるような踊り方は……。
How are youがさ〜〜ひえ〜〜生音でドス鯉のラップ聴いてやべ〜〜の気持ちに……!りーくんが思っていたより少し高めな音とりでウワ〜〜ってなるしたじの子音のアタックがさぁ〜〜(語彙の喪失)、でさあ西くんはめちゃくちゃラップ上手くなってるし最高だよ。最後みんなでぎゅっとしてたのギャップで可愛かったな。
Mirrorーー!なんかこうクリスマスに相応しいライティングで、いつもは歌っていないパートを歌うので待ってこの中低音来るなんて聞いてない! みたいになってた。Cメロのろむフェン→おざまきの波流れを聴けてまた我が生涯に一遍の悔いなし…に(まだまだライブは続くよ!)

4.

VCR③、いや洋画やないかい!!! !(やかましい)。私は松田迅さんを若かりし頃のディカプリオだと思っているので走っている姿本当に映画じゃん……になり、柾哉さんががっしりとした体型でありながら余裕やユーモアのあるタイプのボスって考えた人誰ですか? すごい似合うと思う、あと銃の構え方上手すぎてなんかやってた人? になった(ダンスって身体を使うとはいえ…)。近接戦闘の西さん本当に洋画で(重複表現)この人は映像系も強いなあとなり、りーくんのアクションシーン嬉しい!vsあのお顔を傷つけられたらと思うと危ないだろ! のアンビバレントな気持ちになり、大尊のシステム系ペア感仲良し双子…と思い、めちゃくちゃクール寄りのお顔タイプのろむフェンまさかのギャグなんかい! になり、おざまき、京ちゃんは今回のコンセプトアートだとノワールもの韓国ドラマに刑事として出てきそうなお顔立ちに見えて、尾崎くんはなんか逆にいい人そうさが際立っててこの人絶対に主人公陣営のちょっとドジ踏むタイプの役! になった。そしてスタイルで全てを捩じ伏せるかっこいいたじくんにおしまいに……
そんなことを考えていたらPasswordとCALL119がきて笑ってしまった、映画セトリすぎて(?)。CALL119のがなりからのサビが最高なことにツアーで皆気づいてしまっていて嬉しかった、新しい曲が出る度にCALLって凄かったよな……になるもん。素知らぬ顔して紛れ込むShooting Starくん、やっぱ君はちょっと異色なんよ…

もうここからのDramatic→ DILEMMA→BAD BOYZは最高潮!!!って感じだった!!!!!語彙は敗北しましたでもめちゃくちゃ楽しかったです!!(DILEMMAの緑と紺と紫のライティングがおどろおどろしくてコレオに合ってて良かったのは覚えてる)BAD BOYZすきだ〜〜!

5.

ここから、SPECTRA、そしてアンコールでレミフラ→We Areとなる。
挨拶の時のMCが尾崎くんで、振る時に皆から一人ずつ"挨拶"しますじゃなくて、"お話し"しますだったのが、私はアイエヌアイさんにコミュニケーションを教えてもらったと思っているから、勝手にこれこそINIだ〜〜ってなって噛み締めてた。
コミュニケーションだと思うのは、いつも皆挨拶で、応援ありがとう、これは当たり前じゃないというようなこととかを言葉にして伝えてくれるところかなと思う。それって本当に単語としては幼い頃から知っている単純な言葉なんだけど、それでも何度も何度も伝えてくれるから、本当にそうかなって私も思えて、それってコミュニケーションで、大切な人がいたらどんなに陳腐な言葉だと思っても伝え続けることが大事なんじゃないかという学びをアイエヌアイさんから得た。なんかでも、私たちの方こそ多分当たり前じゃないことをたくさんたくさんあなた達からもらっていて、それって失った時に気づくみたいなほど無意識にまできっと根を張っていて、そのことをあなた達を失う前に気づけるのだろうかと思う。気づきたいぜ! どうすればいいんだろうな。

アイドルに出会う前は、アイドルってオタクのこと嫌いなのかなと思ってた。だって本当に我々は色々言ってしまうし、傷つけるための言葉もあれば傷つけないと思った言葉も声が多すぎて渦となりアイドルを苦しめることも沢山あると思う。
でも、来て、分かった。わかるよと思う、客席に手を振る時に向けた目で、手の上げ方と名残惜しそうに下ろして去るまでの腕の動かし方で、あなたたちがどんなに愛しいと思って客席を見つめているのか、わかるよ、伝わっているよと思う。私はどう返したらいい? 私が本物だと、本当にあなた達を好きだと思ってもらうためにはどうしたらいいんだろう?

 

25日の挨拶で、尾崎くんは伝えたいことは一つだけ、"大好きです"だと話してくれた。君がひとつだと選んだこの言葉について、長く、その意味を考えたいと思う。一対多、アイドルとファンの関係性、その不均衡な構造が何をもたらすのか、私はまだ分からないけれど、でもその関係性を強がりとかでなく、本当に私は愛しているんだよ、世界にそういう関係性があるというバリエーションを教えてくれたことが私を助けてくれたことがあったから!

宿題が沢山だ! だからこそ、会えてよかった。

*****

今年も推してくぞー!まずは追加公演武道館8日!!