朝五時の食品サンプル

魔女になりたい!/朝丘せろり

20231103/やっとのことでの血みどろ雑記

20231103/やっとのことでの血みどろ雑記

 

♡近況:不調と、最後に残るものとしての吟遊

 

 何から書けばいいのかももう忘れてしまったね。でもずっとずっと脳内では自分がフィラメントになった気持ちでありがとうを念じていたんだよ。腕とか指はね、だめなんだよ本当にこわばるよ。不調のとき書きたいという圧で肩凝りと頭痛と食いしばりでもっとだめになる。でも口は最後まで回るから、この夏はいっそ吟遊詩人として、ある時は日暮里の居酒屋や美術館終わりのカフェで、またある時は合同誕生日会の現代的フレンチのレストランのカウンターで、またまたある時は代々木上原のレンタルスペースで仮眠を挟みながら、それぞれ友達にたくさんわたしが見たINIのひかりのことを話していたんだよ。どの友達もとても真摯に聞いてくれんだよ。

それから一人の家で夏野菜おでんを作って食べながら柾哉さんが振り付けしたMomentをきれいだなって見た夕暮れがあったし、あとから考えたらラビオリみたいにきついことが幾重にも重なっていて折れて今回このようになったわけだけど、毎朝起きて一番に誰かおれをころしてくれ!と思っていた7月、誕生日に”Spend whole new life with you”と歌ってくれたこと忘れないよ!(※ここまで全て一方的な私情)。

 ツアー東京最終公演に入るから、いよいよ柾哉さん推し幼馴染と着ていきたい服やつけたいピアス、髪型の話をしていて(まあまあ直前だね)、そしたらなんだかここ2日は朝起きたときから調子が良かったから、芝生の上でありがとうを書くことにした!

 

 デビュー記念日おめでとう! なんか勝手に、人生を並走している気でいるから君たちが魂燃やしてるとき光って、わたしもわたしの人生を頑張れるよ、ぜんぶ伝わってるよ!

 

♡1.First Loveれなかった、話

 

 さて、ありえない回数上記のスポットを巡る中で繰り返し話していた「待望の藤牧京介さんcover動画第一弾のFirst Loveの歌詞を全く理解できなかった状態から、たっぷり1週間くらいかけて最終的に『CanCam2023年7月号』の藤牧京介さん一問一答を介して理解した話」とかから、するか~!

(めんどくさそうなひとだね……)

 

https://youtu.be/zOIxoJS2jrc?si=HCu47sk4-TLnYOXU 

さて、7月に上記の藤牧京介さんの宇多田ヒカルFirst Loveのカバー動画が上がりましたね! 待ってましたとみんなが盛り上がるなか、わたしも「京介さん声きれいだな~」となっていたのですがその時はそれ以上コメントできなくて。

 いや~~。

…………。

あの、別に言い訳なんですけど。

すみませんなんかあの、歌詞があの~~~~当時まだ脳髄に到達していなくて!!!

 

********(怒号)********

 

いやあの、「2023年にもなってあの宇多田ヒカルのFirst Loveが腹落ちしてないやついる? いね~よな!」だと思うんですけど、今回最後には理解したので、許してほしい!

こう、一応わたしの脳内を説明すると(いやだよ!)、歌詞で行けば最初の方の“明日の今頃には あなたはどこにいるんだろう 誰を思ってるんだろう”の時点で「うお~!? 自分以外の他人のスケジュールを把握している! うお~これは大体平均的な相手の1日を把握していてそういう関係性ということでもあり、時間間隔を応用して目の前にいない相手のことを想像する力のある人だ! す、すげえ……おれにはできねえ!」になっていたのでこれは大分先の長い話ですね~♪(※このバカコメントをしている人間は己のADHD性によりスケジュール管理能力というものが致命的に欠けており油断すると仕事に影響が出るし最早己のスケジュールを把握することさえあっぷあっぷであるためこういった応用ができないし、発想も無い)(恋愛ソング語るのやめろ!)。

一番「多分ここの根幹を理解できていないから読解に失敗しているんだろうなあ」という予感がした部分でいうと、二番サビの以下ですね~。

 

”You will always be inside my heart“

“いつもあなただけの場所があるから”

“I hope that I have a place in your heart too”

 

 こう、なんかこれを感覚で英語詞から推測すると(ぐぐって!)、たぶんこの歌の主体は恋した相手のことを考えるときに、他の誰の時とも違う“あなただけの場所”という不可侵の庭みたいなところを作っていて、潜ると言うか誰も踏み入れない一人になれるその場所で噛みしめて考えているということまでは、「なるほど~そういう感じできみは恋をするんだね!」と分かります。自己申告してるし!

 でもこう、3行目で“あなたにもそういう心の場所があってほしい”が来たときに「えっ?????」ってびっくりして、こう、わたしはレールからがっこん! と外れていったわけですね~。

 ↓そのときの心情

(えっ、なんか別に好きな人のことを想うやり方って個々人によって独特さがあるから完全に一致することって、無いから不可能じゃね……?)

 ↓

(え、てかなんか、むしろ全ての仲良くなった2人組あるいは任意の他者同士、もしくは一方的にこの人みたいになりたい! と片思いするあこがれの人とかとの関係性って、行き着けば行き着くほどその人とわたしは全く違うやり方で好きなものを愛でたり大切にしたりしていることが自明になり愕然とする瞬間が、あるくね?)

(なんで、なんでそんな土台無理なことを、望む……? 苦しくないのか?)

 

~完~

 

 えー、上記のことがあり聴くと疑問が頭の中でひしめき脳を圧迫する恐怖で歌が聴けなくなるのはわたしにとってはよくあることなのですが(かわいそう)、「いや、宇多田ヒカルが言ってるってことはほんとだよ(※桜流しとOne Last Kissへの信頼)!」とか「京介さんが選んで歌うってことは、彼の何らかを示す参考資料だよな…(※ファン特有の厄介な勘ぐり)」とかは思うところがあったので、聴かなくても時折このフレーズが頭を過ぎり、ああでもないこうでもないと自然と思索する羽目になりました。

 

*********

 

 さて、話は飛ぶように見えるのですが(最終的には帰着します)INIが4th single DROP That! でカムバをしたので、それに伴い雑誌が発売された時期があり、その中に『2023年7月号CanCam』がありました。内容は充実しており楽しく、中でも一問一答企画はそのシンプルさから巧みな問いであればあるほど各個人の核をあぶりだす装置であり、本号本企画においては大変見事であったことをここに記録しておきます(訳:ファンとして大いに沸きました!)。

 そんな中、わたし個人としては一番心が捻じ切れるかと思っ……印象深かったのは京介さんの一問一答でした。以下抜粋!

 

“Q.言われるとテンションが上がってしまうほめ言葉は?”

“A.『一緒にいて楽だわ』とかですかね。”

 

こう、京介さんは普段から人見知り気質ですが恐らくそれは「この人とどう関わるのがベストかな?」をすごい観察して、強めにツッコミを入れてあげた方が喜ぶのかな~みたいなことを探っていくタイプだと追っていて思うのですが、雑誌ではやっぱり相手と居心地のいい関係性を作ることは結構大変なことだと思うと自分の考えを補足していて、そのあと『メンバーで言うと、多分言われたことはないけど、匠海とはそういう関係ですね』って言ってて尾崎匠海さんのことを挙げているなどのモーメントがありました。

まあ、それは普段からよく京介さんは尾崎くんのことを称するときに「一緒にいて楽」と言っていたのでそうなんだろうな~と思っていたんですけど、新たにこの雑誌で京介さん自身もそうやって人に言われたいことが明らかになり突きつけられ……私は……

 

 ————The Eeeeeeeeeeeeeeend★————

 

 ……はい、あの~、これを読んだとき本当に勝手に自分が耐えられなくて、切なさが胸を襲いあまりの京介さんのいじらしさに一人で床にうずくまったりして、いましたね!

 な、なんでこうなってんだっけ?

これに一人で向き合うことができなかったので、一連の流れを頭に叩き込んで複数人の友達に話すことで「自分は京介さんのこのアンサーのどこに何を感じてうわ~~~! になったのか」を解体する吟遊詩人活動を始めました(ちなみに尾崎くんは同様の設問に“A.『歌で感動した』です”と答えていてこの人はシンガーでアイドルをやりたいという想いの一途さ故に一歩間違うと崖に向かって一直線なところがあるので答えがガッチガチになる人です、そういう人なんです(弁解口調)。)

そこで話していて、あと話した後輩とも意見が一致したのですがまずは、まずは本当に「え……なんかさ……それを言えるのって……強さじゃん……もうなんか、一番に言われたい言葉に挙げるものが、思い通りにならないし自分でコントロールが効かないかもしれない、他者基準の評価の言葉じゃん……? それでもこの人はこうやってくんでしょ? それはなんかもう、京介さんは、本気で人と関わり続けて他者に身を委ねることを厭わないで、生きていく気じゃん……。それを自分でも少なからず自覚しているってことで、でもその望みを選んで口に出しているということで、え、まぶしい……」ということがあり、しばらくどうやったってそう生きる強さが不足している我々は、言葉が出ませんでした。

 いや、まずはというかこれが全てなんですけど、“強さ”と思った点について踏み込みます。

だってそれは、自分がそう言ってほしい相手がそう言ってくれるとは、限らなくないですか? と、思ったからです。人には様々な価値基準があって、それは性質や生い立ちや挫折に左右されて決まっていって、だから本当の願い事はとても独特で個人のかたちをしている気がします。そして何故か分からないけど、拒絶されたら本当に怖いからかな? 本当に欲しいものや言いたいことって、どうしても言えなかったりしがちな気がするのです。それが歌や物語のかたちをとったとき、その距離感であれば「これを作った人と自分はおなじだ」と心を寄せられそうですが、近くて実際に仲良くなる人って自分と志みたいなものは一致しても、自分と正反対なところや違うところに惹かれたりしませんか? だとしたら、同じにはならない確率の方が——誘導とかしない限り——高いんじゃないかと直感的に思うのです。

でも、でもそれを超えて本当に自分が言ってほしい言葉を、てらいを超えて言えるのが、つよくて、そしてそれだけが欲しいものを引き寄せる引力のはじまりなのを知っているから、私たちはとてもできなくて怯えたのだと思います。

 

 ——さて、賢明なる読者の皆さんはもうお気づきでしょうが、わたしはようやくこの一連の悶絶を経てFirst Loveの鍵を見つけたのでした。

つまり“I hope that I have a place in your heart too”とは、初恋とは——皆が憧れて、これは本当にこの世にあるとまだ出逢っていてもいなくても焦がれて自分には分かると思ったのは——、叶わなくても、“自分に大切なものをくれた好きな人が、自分にとって一番の位置にあるやり方で同じように自分のことを好きでいてくれることがあったら本当に嬉しい”と、大人ぶった擦り合わせなんてどうだっていいから、幼いようで原初の希求を願ってしまうメカニズムのことではないかと思いました。

 だから、そんな胸が苦しくなるような大切なひかりのことを、京介さんが京介さんの持つ強さで、あのやわらかくて弦楽器のようにのびやかで男性とも女性ともつかない声で歌っているのだと分かって、とてもあのカバーが大好きになりました。

 

 *****************

 

……いや、違くね?

いや、メカニズムとしてはそうなのかもしれないが、なんか……なんか証明とかでシンプルに答えを出す強い高度の数式が本当はあるんだけど、そっちを忘れたり習ってないから別の式で出すみたいな回りくどさを正直めちゃくちゃ、自分でも感じているんだよ……!

つまりそれは、恋愛の数式で、わたしはなにか人間愛とかを延長して解釈したわけだけども。

でもさ、たぶん……結局その高度な数式を私はわかんない予感がするんだよ。

 だって、第二弾のflumpool君に届け』のcoverでも、私は“行き交う人たちの幸せ 自分のことのようにどうして願うの”の部分に「おれはとてもそうはなれねえ……」って病むからまた長いこと聴けなかった時期がこの後に、あるんだよ……(これも紆余曲折を経たのですが今回は省きます)。

 しかもさ、これらの歌を人は10代で共感したり強く惹かれたりしているわけでしょ? てか今書いてて思ったけど、10代の時にわたしはこれを何となくしか聞いたことが無かったよ。宇多田ヒカルはこれを17歳で書いたわけだし、じゃあ逆にわたしが17歳のときに100パー共感していたものって何?って考えたらさ。

 絵仏師良秀……

 絵仏師良秀、だったんだよ…………。

 ………………………………………………………………。

 

 ~完~

 

 もう多分、こうなったら京介さんが選んでカバーする歌の歌詞、おれ絶対全部理屈で理解しないとわかんねー予感がするし、そういう運命だと思う!

 でも、そんな藤牧京介さんの作詞曲『YOU IN』は、なんか分かるのはもうなんなんだよ。こわいよ。

こう、光を見出しがちな者同士、やっていこうな……(どの立場の人?)

 

*****************

 

 それで、この一連と結論を現在スラムダンクの映画から令和のさなか三井寿に転がり落ち彼の人生の息吹を追い始めた親友のKさんにレストランのカウンターで話していました。

 

 なんか、だからわたしも考えたんですよ。わたしが言われて一番嬉しい言葉ってなんだろうなって。実現性とか度外視して、本当の希求って自分にとってはどんなことなんだろうなって。そしたら、私にとってそれは“あなたになりたい”って言われたら、本当に嬉しいんだろうなーって、思いました!

 それは、けっこうむずかしいね、とKさんは言いました。彼女は分析と捨象の能力が卓越しており、かつ情熱と真摯さを持ち合わせている熱い人物なので、こう、せろりさんがどんなところをなりたいと思われたいのかによってその難易度は変わるね、と続けてそれはかなりそう! と、思いました。

 でも、今はまだ解体しなくても、これからずっと解体できないとしても、わたしはわたしが本当に言われたい言葉を死ぬまでに自分で知ることができたのがよかったと思って、その洗われた光る石みたいな欲望をひとりで握って、たまに夜に取り出してそっと見ているのでした。

 

 

♡2.あなたになりたいのpieces

 

 歌おうとすると、泣いてしまって歌えなくなる曲というものがあります。

わたしの場合はそのひとつに、2.5次元舞台『魔法使いの約束』の劇中歌『深い溝/躍動する闇』のアーサーのパートがあります。

説明を入れます。舞台『魔法使いの約束』は同名のファンタジーソーシャルゲームを原作とした2.5次元ミュージカルです。現実世界でいたって普通の会社員をしていた主人公が、あるとき魔法使いと人間が共存する別世界に飛ばされて、“賢者”としてその世界を破壊するほど迫る“大いなる厄災”に選ばれた魔法使いと協力して立ち向かう使命を負う骨太な物語です。

第一作目の舞台の公開が2021年5月だった本作は、私見ですがわたしはこの物語が大好きです。原作者の都志見文太の作品は基本全部信頼しているのですが、魔法使いの約束は古典演劇や洋画を深く研究したであろう美しい台詞回しと、毒のように甘くて苦しくて眩い登場人物たちの関係性、そして異端と“された”者たちに寄り添い境界の存在である人間の主人公が、激しい痛みのなかでそれでも共存の可能性を探る「いま2.5次元で一番古典演劇の再来をやってるだろ…」みたいなコンテンツだと感じています。すみません、まわりくどい言い方をしましたが、魔法使いはその力ゆえに人間から畏怖される一方差別される存在でもある姿が描かれています。

冒頭の話に戻ります。対象の『深い溝/躍動する闇』の前半を歌うアーサーは若き魔法使いで、作中の「中央の国」で人間の王族の息子として誕生します。魔法使いはある日突然魔法使いから生まれるか人間から生まれるのですが、先述した通り忌まわしいとされる存在でもあるので、追い詰められた人間のアーサーの母は彼が幼い時に強い者しか生き残れない厳しい土地「北の国」に捨てられてしまったのです。ですが、たまたまアーサーはそこで最強の魔法使いと謳われるオズに拾われます。オズはアーサーを育て——あっやべえ細かいあらすじいま全部抜けたのですが——何らかがあってオズと別れ再び「中央の国」に戻り、いまは王子として民のために奔走しています。

まっすぐなアーサーは歌います。“私もいつかあの人のように 一筋の光となって”と。この光とは、厳しい吹雪のなかアーサーを拾って育てたオズのことですね。

 わたしはこれを、聴いても歌ってもいつも声が震えてとても歌えないのです。

 アーサーがあまりにもためらいもなく一心に、自分の見た光のように自分もなりたいと思う王としての器を秘めた強さもそうですが、もっと悲しいのは、“ああ、自分はアーサーにとってのオズのように、誰かにとって「なりたい」と思われる存在にもなれないし、そう思われるようなことを人にできる能力もない存在なんだろうな、一生”と思わざるを得ないからです。

 

 ***************

 

 月日は流れ今年の夏です、わたしの夏休みの思い出の話です!

さて、わたしは2023年のPride monthからけっこう厳しいな~という件が続き果ては労働で限界を迎え、柾哉さん推し幼馴染にダメもとで「現在ADHD性が強く出ており仕事に支障をきたしかけているので認知行動療法を受けたいが受けられる病院を探す作業自体苦手であり困難で詰んでいるため、私が予約を完了するまで手を握っていてほしい」と依頼をすると「いいよ!」と快く引き受けてくれたので、何とかもぎとった夏休みの初日に自宅に招待しかぼちゃカレーを振舞いました。

 幼馴染は基本わたしを見守るだけなので、作業用BGM的コンテンツがあるといいよねという話から「『KING OF PRISM Shiny Seven Stars』(通称:スッスッス)を見ない?」と勧誘を受けました。所謂キンプリは「プリズムショー」という、スケートとアイドルステージが掛け合わさったような表現の舞台に憧れ、パフォーマーである一流の「プリズムスター」を目指す少年少女の物語であり、あの伝説の劇場版を抱腹絶倒して観たわたしでしたが、その後に続くアニメシリーズの存在は知らず、まああんたほどの人が言うなら見てやってもいいが……という舐めたスタンスで承諾したのでした。

 結果として、わたしはその日のうちに全12話を最後は号泣して視聴終了し、ガストで延々とどの部分が響いたかを喋り続けるオタクに仕上がりました。

 アラサーにも、こんなに熱い人生を変えるような夏休みって、あるんだ……!

 意味不明だと思いますので端的に偏った意見を伝えると「多分尾崎匠海さんのオタクはスッスッス全12話見て損はないと思う特にまじで最終回!」みたいな物語で、細かく話せば「基本児童向けアニメで経路が全部様子がおかしいのに、ふとした瞬間そこいらでのドラマでもここまではやらねえよみたいな重くてリアルな人間描写が底にあるのはどういうバランスで可能になるんだよ! あとアイドルとファンの関係性の光を最後まで信じているタイプの作品じゃん……!」という点が主にぶっ刺さりました。

 好きすぎて暗記して、でも口に出すと泣いてしまって最後まで言えない台詞があります。7話の西園寺レオくんの台詞で、下記に引き写します。

 

“心の花を咲かせましょう!あなた色の花を!”

“皆と違うことを恐れないで!小さくてもいい、綺麗な色じゃなくてもいい!”

“私、あなたのことが大好き!”

 

 西園寺レオくんは男の子なのですが、かわいいものが好きで普段はスカートなど女の子らしい服を着ています。しかし、そのことでいじめられた過去があり、7話でそれがリフレインするような状況が生じつつも、どうしても伝えたいことがあるからとステージに立ってショーをした最後の台詞がこれなのです。

 わたしは、ちょっとこれは凄すぎる台詞だと、衝撃を受けました。特に2行目から3行目に現れていますが、この飛躍は理屈だけではとても書けないと思います。ですが、意図なき感情だけでも書けません。わたしはこれは、いま特定の状況で辛くて何も表せなくなっている人に向けて、ステージの上に立つレオくんというたった一人の表現者が何をもたらせるかということ、だから人は輝きを見たと思って生きていったり、憧れてなりたいと思ったりすることとかを、このアニメを見ているたったひとりの「こども」に向けて「大人」がありったけ思いを込めたメッセージだと思わずにはいられないのです。

 8話の大和アレクサンダーの回にも強く思いますが、キンプリはいつも、いつも登場人物の心が前に前に出ています。工夫と、どうしてもこれを伝えたいという強いなにかがあるから、こんなに心が動いてしまう。それは、“なりたい”という心だとわたしは思います。ずっと自分を誤魔化さずに、迷っても決めたらなりたいものに一心で向かっていくスターの卵たちに、心が洗われます。

 

 ************

 

 INIの話に再度戻ります。

 言葉が好きですが、書いて出力するのにとにかく時間が必要になってぱっと出せないタイプで、まあまあ色んなことに支障が出ています。

 ストレスが強まるほどそれは濃く出るので、INIさんから受け取ったものを書き留めたいのに、外に出せる状態の文章にならなくて断片だけ何とか書き記したままの携帯の中のメモが溜まっていきます。

 中でもだいぶ血みどろな様子がうかがえるメモというものはあります。

 “木村柾哉さんになりたいと思う→でもなれない→でもなれないと分かっていてもなろうとすることだけが、最終的にわずかに木村柾哉さんへと近づく道なんだよ……”

 なんか書いた人限界……だよね? 病んでるよね? これが携帯のメモ帳アプリじゃなくて手書きだったら獄中日記の筆跡だったよね、人生って監獄ってこと? みたいな文章で、こわいですね~~。

 なんかでもォ……今回この話をしなきゃいけないのでェ……がんばります……!

 

 さて、夏休みも終わった8月の週末におおよそ半年ぶりに会う女友達と会合をしました。

 このお友達は見た目は由緒正しき丸の内OL!というコミュ力も抜群素敵女性なのですが、熱いオタク魂も有しています。哲学科出身故の慧眼でとにかく死の予兆を見出す速さが異常で、先見の明がありすぎるため「もはや好きなキャラクターを好きになっていったらその先に死が待ち受けているという順番なのか、死ぬことを見出したから好きになっているのかが、分からない……!」という、凡人にはよく分からん極地でたまに混乱して呻いています。

 この日は数回場所を変え、朝から夜まで計10時間半ほぼずっと喋っており、翌日声が枯れました。だいたい、わたしたちはこうなります。内容としては、わたしは推しである尾崎匠海さんやINI及び最近見たコンテンツについて、お友達はミスチル桑田佳祐の特定の歌の歌詞のどこが響いたかについてとかで、ほぼ分量としても半々ずつぐらい話していました。

 勿論、ここまで書いていた内容も全部話し、最後夜はレストランで「もうだいぶ用意してきた話題は話し尽くしたな……ここまで話すと思ってなかったけど、話すか……」と、上記メモに凝縮された木村柾哉さんの件周辺について、話すことにしました。

 日付としては、某番組が終わった付近だったことを言い添えておきます。え~、占いということでスキャンダラスな話をしとけばいいとか思っているテレビとやらは「この令和の時代に?」みたいな界隈全体が昨今はブチ切れるタイプの切り込み方をまだしていてつまり男性アイドルに対して異性の恋愛運を占い“尻に敷かれるタイプで気の強い女性が好きなんじゃないですか?”とかなんかの問いかけをしてきてそれに対し柾哉さんが「頑張ってる人が好き」と答えてファンが「えっ……明日からもがんばろ!」となった神業の話ですね!

 これは別に、説明しやすいので一部の側面を取り上げた訳ですが、いつもいつも彼は思慮深くて考え抜くけど柔軟で、鮮やかに火を花火に変えてみせる人でした。何に対しても。

 そんな人になりたいんだよ。でも、思いつく?とお友達に窮して聞きました。いや、なかなかそこまではできない、という話になり、わたしだったらもう反射的にキレて暴言を吐くであろうから本当に無理だと思うんだよね、とわたしは言いました。

 でもさあ、彼は人間だから、人間として判断して選んで生きているから、わたしは——私以外の人にそれを強要したいわけじゃない、その人がそうすることで生きていけるなら私には何もできないからもうそれで良くて——でもわたしはどうしても、人を神さまみたいと思っても神さまとして自分の心の外で扱いたくなくて、諦めたくないよ。でも脳が足りなくて、苦しいよという話をしました。

お友達は“なりたい”の話をひとつしてくれて、「なんで、どうして私たちは“あなたになりたい”っていうどうにもできない衝動に、それでも身を焼かれ続けるんだろうね? それは“あなたになりたい”と願った瞬間から“あなたにはなれない”という事実が同時に存在することなのに、それでもどうしてなんだろう?」と、分かってくれました。

 苦しくて、だけどわたしは同じ気持ちでいたことが嬉しくて、それはわたしが“あなたになりたい“というほんとうのほんとうの自分の欲望を、First Loveの件で炙り出したから話せたことだなと思いました。その時はそれで精一杯でしたが、いまわたしはその先に思考を進めることができました。

 じゃあ、わたしがなりたいものを思い浮かべたとき、何を真っ先に思いつくの? 

 ぜんぶ、ありったけ全部、話していいとしたら!

 

 ずっとずっとあるよ、出逢ってからずっと。これは偏ったコレクションで、だけどわたしが跡がつくほど強く握りしめているものなんだよ。木村柾哉さんのことも京介さんのA期のあるヨントンとあと最近タイプの女性は?って聞かれたときに食べ物を食べている“人”を見るのが好きですって答えたこととか(判断ができなくて、この文章の前にあった言葉を意図的に、省いている)フェンファンがイベントの即興劇でもメールでもいつもいつも忘れないで示し続けてくれることとか池﨑理人さんがわたしよりずっと年下なのに最近Instagramにある英語の文章たちが入ったTシャツの写真や動画を上げてくれること、それはね、それは、勇気なんだよ。それはすごくこわいことなのに、それを、してくれるの。賢くて衝突しない方法で交渉して人の心がよく分かる人たちが、それでも見える場所で、してくれるんだよ。

 だからさ、わたしがなりたいと思って浮かんだものがそれらということは、勇気がある人に、なりたいのかもしれない。

 

 そっか、じゃあ今ひとつ分かったね、ってお友達は言ってくれたよ。

 

 

♡まとめの、ようなもの?

 

 もう特に結論はありませんが、わたしは最近もだいたいこんな感じです!!!(近況報告)

 もうあのSingleにも言いたいことがあるのでぼちぼち……本当に、元気に、なりたい……。

 

 *************

 

 無理矢理まとめのようなことをすると、あの後お友達と別れて家に帰ってから、寝る前にわたしは久しぶりに「朝加圭一郎」のことを調べました。それは「夜神魁利」について調べることとも同じであり、久しぶりにあの台詞を見ました。

 

「あんたはそっちにいてよ。こんな怪盗じゃなくて、もっとたくさんの人を助けなよ」

「しかし……!」

「俺が圭ちゃんになれないみたいに、圭ちゃんは俺みたいになれない」

 

 そうだ、そういうことも、ある、分かるよと思いました。たぶん、何かについてはわたしはこういう判断をするときが否応が無く来て、それは当然のことでもあるんだよなと思えました。

 それから、幼馴染にこの台詞のスクショを送って「なれないから、これでいくしかないんだよ」と言うと、彼女は言いました。

 

 “同じ心意気には!! なれるよ!!!!”

 “なろうよ!!!”

 

 「なろうよ!」「なろうよ!」と言い合えることの焔が、大事なんじゃないかとそのとき思いました。

 この2つがそろって分かりました。

 わたしたちは苦しくてもずっとまた“あなたになりたい”に翻弄され続けるであること。

だけど、このどちらも同じように大切で、揺れながら笑顔になれる方を都度選んで、果てまで行く運動を続けるであろうこと。

 

*************

 

 

 ウオー!!ツアー行くぞーーー!!!