朝五時の食品サンプル

魔女になりたい!/朝丘せろり

INI M期ふりかえり!

SPECTRAのMVを聴いてMVを見たら、あ〜私ってコントラスト厨でもあるんだなと思うと同時に、M期の曲の輪郭がよりハッキリ立ち顕れる感じがあったので書くことにした!

 

1.
2.Password
3.STRIDE
4.Shooting Star
5.Mirror

 

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1.

6月だったような気もしているけれど、夏の初め、晴れた駅のホームで、突如公開されたM期のジャケ写を見て一緒にいたKさん(ソウルメイト)に多分いつも通りの大声で興奮を伝えたのは覚えている(Kさんは私がINIを推していることは知っているくらい。たまに動画を見せると見てくれるし話を聞いてくれる)。カムバ! 楽しみにしていた旅行の始まりに、さらに楽しみなことが重なってぴっかぴかのスタートだった。INI 3rd single『M』のジャケ写は、ヌーディなサンドベージュと黒でまとめられたシックな衣装を着た皆がチェスの駒(コンセプト的にはクロスワードパズルのコマかな?)のように同じ方向を向いて並んでいる構図で、引き算的な構成が洗練されている感じがあってわたしはとても好きだった。発売日は8月下旬。夏に出るシングルだし最早いまは初夏だけど、その衣装の色合いからもう夏も終わりに入った残暑の頃を感じさせるな〜と思った。文章題解く時に先に問題を押さえておいて、この問いなんかアツそうだな、読むの楽しみ! みたいなラッキーで軽やかな先取りだった。この異常気象な最近だと残暑は現実的には厳しい暑さが予想されてギラギラのドロドロだろうし、灰色のコンクリートに囲まれた地にある職場に赴き冷房のかかったオフィスで日が昇ってから沈んでも働くので、どうせ季節なんて感じられないだろうから、そこでこのジャケ写のCDが並んで、アイドルたちがカラッとした熱い風が吹くけどふとした時にシロップみたいにひやっとした風も入り交じる砂丘が何となく目に浮かぶような衣装を着て活動してくれるなら、わたしの残暑は"それ"が真実になり、音楽でアイドルと一緒に活動期間を駆け抜けられたなら二度とない季節にやり残したことはないと惜しむことなく思えるのを私は知ったので、それが2022年の晩夏の記憶となることは素敵だ。適応のために過度に一定になり乾燥したわたしの感性に、アイドルが雨を降らせ豊かに植物を茂らせていくように季節を巡らせてくれるのはとても嬉しいと新曲が出る度にいつも思う。ありがとう、支えられているよ。
そんなところから、わたしのM期ははじまったんだよ!(報告!)

 

 

2.password

 

SPECTRAのMVを見て「PasswordのMVってやっぱ映画的な撮られ方をしてたんだな〜」と思った!

https://youtu.be/ZU58-PZnXOM

もう散々言っているのだけれど、秒針の音を背に将吾さんが囁いて別の人物がフラッシュバックのように映るカットとか、西くんが格子の向こうからガンガンノックして"Open myself."って言うところってか曲に命令文が多いことそのものにノーラン!ノーランだ! と思ったし(※違う)(でも色調もかなりメメントとかっぽくない?)、最後とかファイトクラブじゃん!てかもう西くんのタイラー性がすごい!2番Aメロ(2バースって言うのかな?)で西くんと尾崎くんが並ぶとタイラーと"僕"っぽさすご!となった(※違います、西洸人さんはご両親からの愛を全身で受け止め、今度はその愛を取りこぼすことなく人に一身に注ぐことのできる熱い誰かのケアもできる男なので……)(でもさ〜憧れられる対象というところもタイラーみが……)。だから映画みたいだ〜という印象に……

音源!音源初めてフルで聴いたとき、Cメロからあの池﨑の理人のラップブレイク入るの?え、大サビがラストに向かって後ろの音数もこれ以上ないほど足されていきブーストかけられるだけかけられてる、ヒャッハー!扉ぶち破られてどこまで行くんだろう!みたいに夜中に拳突き上げた。最高。こう、自分は割とはっきりサビがある曲が分かりやすくて好きなタイプなのもあるけれど、なんか、すごい、構成愛好家なので(?)あまり自分が見たことない構成のものを見るとめちゃくちゃ楽しいし、使ってみたいという行き場の無い衝動が……三幕構成とかはまだまだ全然だけど、ブログとか長い文章を書くときいいな〜と思ったブログの構造をExcelに書き出してみるとか、そもそもブログ読む絶対数が少ないから(読みなさい)『論文の教室』取り出してレポートのアウトライン形式で無理くり埋めていく意味不明な遠回りというかそれは逃げ……をすることとかが趣味なので、なんかこの、Passwordの構成に感銘を受けました! ってなんかやってみたい。もう最悪トルコランプ作り教室でタイルの並べ方をPasswordリスペクトでやってみました!とかでもいい。え、楽しそう、蛍光ピンクとグリーンは絶対入れてさ…


好きなところは、あの2番Bメロでフェンファンが中心になった時の風車みたいに端から回っていくコレオがやっぱりね!(みんな好きだよ)そして左右反転ダンスを現場来てやることを知らされ、それでいてできる木村柾哉さん本当にやべー人だ……

 

 

3.STRIDE

 

はい、RUNWAY→Brighter→We Are(+AMAZE ME)のオタクはSTRIDEが好き。分かりやす!

https://youtu.be/FuSxtctk4p0

"Cause you are by myside."のメロディーラインがめちゃくちゃ好きなんだよ〜。
PV、外は大雨だったらしいけど霧がかってふわーんと窓の向こうが白んで明るい中でトロピカルなサウンドがドゥグンドゥグンと打ち寄せる波みたく鳴って笑顔で羽ばたくようなジャンプするイルカのようなダンスを皆が踊る光景、雲の上とか夢の中にしか存在しない夏の海辺という感じが好き。
振り付けがさ〜ずるいよね!"行ける I believe"のニャンニャンポーズがくるやつ! 1番はめちゃくちゃ可愛くさのたくが猫猫ポーズやった後にスタイルお化けお兄さんのたじが呼ぶ振り付けやって大人っぽ…ってなるギャップが楽しくて、2番の髙牧は2人並ぶと可愛いけど振りは意外とクール目な猫猫で踊るのねみたいなギャップ、個性……京ちゃんはワイルドで大きくて、大夢くんはスタイリッシュ&エッジ……
"Everyday Everynight"のフェンファンの気品×フェミニンのウェーブ、目を閉じて I can see"のたじの指をクルクルと回して落とすところの夢見心地さ、雄大のギャルい裏ピースのピンクグレープフルーツジュースみたいな元気の出る輝きがお気に入り。柾哉さんと尾崎くんは流石こういう曲似合うよなー、パッと明るさが画面全体に光量として加わり爽やかさがくっきりとする…あと理人はKPOPのダンス大好きなんだろうなーっていうのが笑顔とかからすごい伝わってくる気がしたんだよな…

 

 

4.Shooting Star

 

尖り尖り問題児(?)Shooting Starくん。個人的な経緯ではあるがわたしはMのデジタルリリースの日に流行りの感染症にかかり始めていたらしく、それに気づかないまま解禁された音源を0時から聴いていて、STRIDEで頭の凝り固まったところを気持ち良くほぐされて海月のように脳みそをたゆたわせていたところに突然Shooting Starくんをぶち込まれ奴は最後まで己の道をぶっちぎっていったので風邪の時に見る夢……? ってなった思い出がある。普通に風邪(感染症)だった、ごめん。M期、それは曲と曲の落差が凄いsingleなので順番に聞くとジェットコースターに放り込まれているんだ……

https://youtu.be/Rx6t4opYFKs

そんな尖った曲の頭は西→池﨑のラインを使う磐石の布陣。ド低音西さんがボルテージ低めから始まり1度小爆発、池﨑の理人が短い掛け声で装填装填装填!着火着火着火! そして中音域ラップの地位を確立してきたちよちゃん(後藤威尊さん…)が最高潮に持っていく!彼はまず声がいいし、音の粒を揃えたり語尾の処理が自然でキレがよかったりと、出したいイメージに対する声のコントロールセンスがあるなあという印象で、ドス鯉のバリエーションにも無かった、整いつつジョーク的な軽妙さもある中音ラップで大好きだよー! そんなラップラインがタラップを駆け上がるように畳み掛けて頂点まで行ったところで歌唱メン一発目・尾崎の匠海がゴリゴリにエイベ節効かせたハスキービブラートでトドメを刺してくるのもう笑っちゃうんだよな。技術……この男技術拳にのせて殴りにきてる……いや〜Shooting Star流れ全体が狩りに来てる布陣!
PVは池﨑氏のあの声を持ってして完成するノルカ〜ソルカ〜のイカダンス(?)での京介さんの体幹に恐れおののくよね。この人未経験者だったのもう嘘だろレベルのセンスと進化を……あとフォロワーさんみんな2バースの将吾さんの"twinkle twinkle ★"で召されていたけれど分かります、頭シェイクされてお星様が回るの見えますこれは召されます。あと迅ちゃん見た目あんなに色気あるマンネなのに声があまりにも爽やかな少年で、全体としてバチボコ曲なのに迅ちゃんと尾崎くんが歌うときに青春もの少年漫画指数上がる感じ、声が本当におもしれ〜グループだよアイエヌアイ……バラけた声質に毎度感謝だよ……!

 

 

5.Mirror

Mirror、メッセージ性大好き人間なので一貫した世界観とストーリー性に志や気骨を感じていいなあと思い(根性があるか無いかで判断する感じの人?)、そしてそのテーマがもろにわたしの脆弱にぶっ刺さるかたちをしていたのでかなり好きな曲ですね! あの……己を救うのは他者でなく自己だった、みてえなのが……"いつの間にかぐんと育った僕の 頭を撫でて"をこの場合誰かに求めるのではなく自分に向かって言うところがあの……鏡ってそういうことですよね、使い方がうめえ……。そしてこの曲の"頭を撫でて"などの歌詞から少し幼い感じ、少年から大人になるような気持ちを想像させる〜みたいな解釈を見たときにアラサーは「え……?全然今でも思うが……?」になり己の成熟してなさに……死……

https://open.spotify.com/track/7KUE8X4UbRB7Iu6x7yXF5F?si=_aWuuqr1Roa_zvzoqAAc0w


マジでこの段落聞かなくていい話なんですけどもうこの際ズレている気もする物凄く偏った話をすると、ぼくはMirrorを聞いた時に己の青春人生少年漫画『D.Gray-man』のスーマン編の古傷が痛み、それが自分に影響を大いに与え脆弱性をもたらしたことを節目節目に感じるんですが(何の話?)、わたしがこう解釈した! とオタク特有の早口で説明すると、スーマン編は作品の序盤でかなり絶望度が高いエピソードの塊でこの話は基本人間を殺戮し世界を支配しようとする"アクマ"という敵と戦う話なんですけど、強すぎる脅威を何とかしようと主人公のアレンが事態に対し単独で立ち向かうしかない状況で仲間と離れて一人で行動し凄い技とかも出して身体にも限界が来てるけれど状況は悪化の一途を辿るばかりで、いやいくら物語で主人公に苦難を与えろと言ってもやりすぎでは? みたいな状態で、ここで周りには誰もいないのにアレンは「誰か…!(助けて)」と口に出してしまう。アレンはいい子であまり人に助けを積極的に求めない性格で、それでも口に出してしまうほど追い詰められていることが伝わるシーンでまあこれは少年漫画だしな!ここで仲間がくる熱い展開になるんだろうな!と思っていたら、アレンのコートから出てくるのは若干導いてくれるけど特に言葉は喋らない鳴き声は発するティムキャンピーという石の(※石の)マスコットキャラクターでおっ、このティムキャンピーが隠されていたすごい力を使ってこの状況を打破するんだな?熱い!って思ったら、ティムはアレンに噛み付いて怒る様子を見せて、それにアレンはびっくりして「分かったよ! 頑張る!」って反射的に口に出して、それを口に出せた自分に気づいてまだ頑張れるかもと思えて心を立て直してまた立ち向かうという展開でつまりどんなに辛い時でも仲間は来ねえし石は噛みついてきて最終的に己で己を救い奮い立たせるしかないっていうことですか厳しすぎない??? でも確かにアイドルのオタク2年生だけど突然人間性を問われる状況に迫られてでもそれは個人の背景とか感じ方に依拠するから結局は全てを説明したり弁解したりすることも出来ず自分で判断するしかなくてそれがこれか! Mirrorってそういう曲なんだな! って思ったけど多分Mirrorは敵味方とかじゃなくて自己肯定自己受容とかの話だから違うな! この話やっぱ無しにしてください!!


そうですね、でもMirrorに関してはCメロのろむフェンで割れそうに硬質で澄んだKPOPっぽい声質のターンからおざまきの掛け合いになりJPOPーー!JPOPの風ーー!って日本語のお手本のような一音一音ハッキリした歌い方で歌詞が自然と入ってくるところやっぱり好きなんですよね、"各自"とかいう「んん???」という歌詞も京介様にかかれば「そんなこともあるか〜♪」ってなるからスっと入ってくる。なんか、曲に支えられるという体験があると聞いていて、確かにそれは自分にも今まであったのだけれど、なんだかMirrorって包帯があてられるような感触で、発売日に所用で地下街をへろへろの状態で目的地に辿り着けず歩いている時にあのCメロがふっと頭に流れてあのJPOP魂の手触りが(?)折れそうな心を支えてくれる感じがあって、これからも同じようにこの曲がふと蘇るんだろうなと思った! まあそれは健康診断の日で朝から何も食べていなくてやっと終わってへろへろの時に食べたいものを見つけられなくて店から店を死んだ目で見て彷徨っていたときの話なんですけど……(スケールが小さすぎる)

 

はい、そんな感じです! M期ありがとうございました!
なんだかさ、新曲が次々と出るから刺激を求めて新しい曲へ新しい曲へと手を伸ばすあまり、私はその曲の重みを感じきることなく浅い消費をして、皆んな擦り減らしてしまうのかなって思ったけど、全然そんなことは無かったよ! 新しい曲を聴いたらまた違った目で過去に出た曲を見られることがあるし、実際に何度も頭に蘇る、思い出す、分かることがある、一層愛しくなる、好きになるんだね。そのことに安心して嬉しかったんだよ。


アルバム、楽しみだな!